夕張市の財政破綻に思う
2006.06.17 Saturday
北海道夕張市の後藤健二市長は、深刻な状況に陥っている市財政の自主再建を断念、国に財政再建団体の指定を申請する意向を固めたとのこと。
最終的には、20日から始まる市議会で正式に表明し、国に申請するとのことで、財政再建団体に指定されると、支出制限など国の厳しい管理下で市政運営が行われることになるという。申請が受理され指定を受けることとなると、1992年の福岡県赤池町以来のこと。自主再建の道を模索したが、金融機関からの融資も厳しく、北海道も再建団体申請を促したことで断念した。
ここ数年続いていた「平成の大合併」の縮図を見た気がする。これまで地方ほど国庫からの補助を受けていたが、政府の「地方分権」方針に伴い補助金の削減が行われ、これまでお手盛りだった財政は、本当の意味での「地方自治」に転換する必要に迫られている。そのためには、自活できる「体力(自治体規模=人口)」を確保せねばならなかった訳である。
誰も失敗しようとして事業を始める者はいないのだが、才覚がなければ廃業に追い込まれる。地方自治体も我々自営業者と根本的には変わらないということだが、運営母体のコスト意識のなさには、見ていて呆れるものがある。今回の夕張市の例もこれに大よそ違わないものである。
また、このところ元気の良い自治体の責任者には、民間出身でコスト意識のある人が多いのも納得できるところである。ただ、以前にも述べたが、自治体の存在の根本には「民」では出来ないことを「官」がするということが挙げられる。民間では成り立たない福祉政策などがその点であり、その面についてはあまりコスト意識を持たないで頂きたいものだ。
先日、自治体のオークションがニュースの話題に上り、密着取材していたが、オークションに結果に一喜一憂し、「今までは差し押さえの品目も限られていたが、これからは広く差し押さえて行きたい」等のコメントを述べている公僕に不快感を感じたのは私だけではないだろう。
税収と支出の均衡は保つ必要があるものの、自治体は不用意に儲けてはいけないのである。もし儲けているとすれば、それはイコール民業圧迫であったり、どこかで一般人が泣いていることを示すことであると思う。
「中央の財政状況の悪化から求心力を失い、中央集権から地方分権へ」
施政者の衰退と難局を乗り切った有力在地勢力の勃興は、歴史的を見直せば幾度も見ることが出来る。これが時代の流れだとは思うが、政策担当者にはしっかりと着地点を見据えて問題の解決に当たって欲しいものだ。
以上とりとめもない話なのだが、夕張市の財政破綻のニュースに伴って色々と考えさせられた。
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最終的には、20日から始まる市議会で正式に表明し、国に申請するとのことで、財政再建団体に指定されると、支出制限など国の厳しい管理下で市政運営が行われることになるという。申請が受理され指定を受けることとなると、1992年の福岡県赤池町以来のこと。自主再建の道を模索したが、金融機関からの融資も厳しく、北海道も再建団体申請を促したことで断念した。
ここ数年続いていた「平成の大合併」の縮図を見た気がする。これまで地方ほど国庫からの補助を受けていたが、政府の「地方分権」方針に伴い補助金の削減が行われ、これまでお手盛りだった財政は、本当の意味での「地方自治」に転換する必要に迫られている。そのためには、自活できる「体力(自治体規模=人口)」を確保せねばならなかった訳である。
誰も失敗しようとして事業を始める者はいないのだが、才覚がなければ廃業に追い込まれる。地方自治体も我々自営業者と根本的には変わらないということだが、運営母体のコスト意識のなさには、見ていて呆れるものがある。今回の夕張市の例もこれに大よそ違わないものである。
また、このところ元気の良い自治体の責任者には、民間出身でコスト意識のある人が多いのも納得できるところである。ただ、以前にも述べたが、自治体の存在の根本には「民」では出来ないことを「官」がするということが挙げられる。民間では成り立たない福祉政策などがその点であり、その面についてはあまりコスト意識を持たないで頂きたいものだ。
先日、自治体のオークションがニュースの話題に上り、密着取材していたが、オークションに結果に一喜一憂し、「今までは差し押さえの品目も限られていたが、これからは広く差し押さえて行きたい」等のコメントを述べている公僕に不快感を感じたのは私だけではないだろう。
税収と支出の均衡は保つ必要があるものの、自治体は不用意に儲けてはいけないのである。もし儲けているとすれば、それはイコール民業圧迫であったり、どこかで一般人が泣いていることを示すことであると思う。
「中央の財政状況の悪化から求心力を失い、中央集権から地方分権へ」
施政者の衰退と難局を乗り切った有力在地勢力の勃興は、歴史的を見直せば幾度も見ることが出来る。これが時代の流れだとは思うが、政策担当者にはしっかりと着地点を見据えて問題の解決に当たって欲しいものだ。
以上とりとめもない話なのだが、夕張市の財政破綻のニュースに伴って色々と考えさせられた。